物理

風の力で橋が崩壊?タコマ橋崩壊はなぜ起きたか分かりやすく解説!【おもしろい流体力学】

こんにちは。ケンチーです。

タコマ橋という橋の名前を聞いたことはありますか?

アメリカにあった橋なのですが、実はこの橋、完成してから4ヶ月で崩壊してしまったのです。

上記が崩壊の様子です。衝撃的な映像ですね。(1:07~)

崩壊の原因は19m/sの風。橋を破壊するほどの風速には思えません。

なぜこの橋はたった19m/sの風で破壊されてしまったのか。わかりやすく解説をしていきましょう。

崩壊のメカニズム

タコマ橋の断面は下図のようにHのような形になっていました。

そしてこの橋に横から風が吹いてきます。

風は橋の上下に枝分かれし、橋周辺を流れていきます。

この状態では橋を崩壊させる力は働きません。

橋に少しでも傾きがある場合はどうでしょうか?

上図のように上下で異なる位置に渦が発生をします。

ここで台風を思い出してください。台風の中心の気圧は大気圧よりも小さいですよね。

それと同じで渦の圧力は周辺に比べて小さくなります。

そして圧力は小さい方から大きい方に力を及ぼす為、今回の場合、橋を時計回りに捻じる力が発生します。

限界まで橋をねじったところで弾性力で橋は反対方向にねじられます。

そのとき先ほどと同じ原理で反対方向(反時計回り)にねじる力が加えられます。

このように橋がねじられるたびに回転させる力が橋にかかるので、風が止まない限り、橋の回転量は次第に大きくなっていきます。

そしてその回転量に耐えられなくなった時、タコマ橋は崩壊したのです。

まとめ

いかかでしたか。

風というのは、橋という巨大な建造物さえも破壊してしまう力を持っているのです。

このタコマ橋の失敗の教訓は、世界中の橋建築に活かされています。

本ブログでは流体力学に関する身近な現象を分かりやすく解説をしているので、是非ご覧になっていってください。