こんにちは。ケンチーです。
今回の記事では、サッカーの無回転シュートや野球のナックルボールはなぜ揺れるのか?
この疑問を流体力学を用いて、誰にでもわかりやすく解説します。
なぜ揺れているのかを知れば、あなたもナックルボールを打てるようになるかもしれません。
それではいきましょう。
ボールを揺らしているのは「カルマン渦列」
結論から言ってしまうと、ボールが揺れている原因は「カルマン渦列」と呼ばれるものがボールの後方に発生することで、ボールに不規則な力を与えて、ボールが揺れるのです。
ではカルマン渦列とはなんでしょうか?
コンピュータ上でシミュレーションしたものを見てみましょう。

左端にある白いものがボール、緑色の流れが時計回りの渦、紫色が反時計回りの渦を表しています。
ボールの後方から上下に渦が放出されているのがわかります。
この渦を「カルマン渦列」と呼びます。
ここで注目したいのが、渦が上下同時に放出されているのではなく、交互に放出されていることです。
これは渦が同時に発生すると、渦同士が干渉し合い、流れが不安定になってしまう為です。
流れは常に安定した状態でいようとします。
上下に放出されることでボールも上下に力を受ける
カルマン渦列が上下交互に放出されることにより、作用反作用の法則によってボールも上下方向に力を受ける為、ボールが不規則に揺れているように見えるのです。

実際には奥行方向もあるので、上下左右に揺れています。
ちなみに、ボールに回転を加えれば、ボール後方にカルマン渦が発生しにくくなるので、いわゆるブレ球にするには無回転にする必要があるのです。
回転を与えた場合のボール周辺の流れについては、他の記事で紹介しているので、是非ご覧ください。
ストレートはなぜ伸びる?
まとめ
無回転でボールを投げることによって、ボール後方にカルマン渦列ができ、それらがブレ球を生み出しているのですね。
本ブログでは身近にある流体力学を誰にでも分かりやすく解説をしています。
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