こんにちは。ケンチーです。
今回のテーマは「風車はなぜ回る?」です。

風が吹くと風車が回るということは分かっていても、風がどのようにして風車を回しているのか知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、誰にでも分かりやすく風車が回る仕組みを解説していきたいと思います。
まずは翼に働く「揚力」を理解しよう
風車のプロペラは細長い棒のように見えますが、実は横から見ると翼の形をしているのです。

赤い太線の部分を切ってみて断面を見てみましょう。

右図の黒い線で表しました。これが翼です。少し上を向いてるのが特徴です。
ここで風車正面から風を起こしてみましょう。

風車正面から風を起こすと、翼の前方から風が来るのが分かります。
その風は翼の表面を沿っていき下方向の力を受けて流れていきます。

そして作用反作用の法則により翼は上方向の力を受けます。そしてこれを「揚力」といいます。
(詳しくは「飛行機はなぜ飛べるのか?」で解説しています。是非ご覧ください。)

このように3つの翼は正面の風から揚力を得て、風車が回転するのですね。

風車が回転すると?
ここまでは風車が静止した状態で風が吹いた状況を考えてみました。
でも考えてみてください。風車は回ることでも風を受けます。
仮にあなたが快速で走る電車の屋根に立った時を考えると、すごい風が来そうですよね?

これと同じことが風車の翼にも起こるのです。
そして大切なのが、先端になるほど回転による風の強さが大きいということです。
これはブレード(風車の細長い棒のこと)の先端になるほど、移動速度が速い為です。

要するにブレードの根元付近では、正面からの風のみを考慮すれば良いのですが、先端に近づくほど回転による風を多く受けるのです。
回転による風を揚力に変えるために
回転による風を揚力に変えて回転する為に風車のブレードはどのようになっているのでしょうか?
先ほどと同様にブレード先端付近の断面をみてみましょう。

先程より翼が上を向いていることが分かります。
風車が回転しているとして風を吹かしてみましょう。今度は正面からの風と、回転による風です。

これらを足し合わせた左斜め上からの風が実際に翼が受ける風となります。

そして先程と同様にして赤矢印のような揚力が生み出され、このうちの上方向の成分が風車の回転を生み出しています。
ブレードの先端になると翼が上方向に傾いているのは、回転による風を考えているのですね。
まとめ
いかがでしたか。
風車のブレードってねじれているんです。
また、回転による風を揚力に変えている為、風が少しやんだからといって、すぐに止まることはありません。
それに風速以上の速さだって出すことができます。
流体の力恐るべし。
風車についてもう少し詳しく知りたい方は、下記の書籍がおすすめです。
また本ブログでは流体力学に関する記事を多く取り扱っています。是非ご覧ください。
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