電車の中の風船はどうなる?【おもしろい流体力学】

2019年6月10日(月)

こんんちは。ケンチーです。

あなたは通勤中や通学中に電車やバスに乗っている際、急発進した電車やバスで思わず後ろによろけてしまった経験はありませんか?

これはあなたに慣性力という「その場に留まり続けようとする力」が働くからです。

では、あなたが車内で風船を持っていた場合は、その風船は同じように後ろに倒れていくのでしょうか?

実はこれには不思議な現象が起きるのです。

この記事では、このあと起こる現象を流体力学を用いて解明していきます。

そもそも慣性力とは?

そもそも車内で私たちをよろけさせる慣性力とは何でしょうか?

慣性力とは先ほど述べた通り 「その場に留まり続けようとする力」 です。

下の図をご覧ください。

車内に大きさの違う2人の人がいますが、急発進した電車によって、それぞれの人が青色の位置に留まろうとする慣性力受けます。

ここで大事なのは、慣性力の大きさはその人の重さによって決まるのです。

上の図でいえば、大きい(体重が重い)人のほうが大きな慣性力を受け、小さい(体重が軽い)人のほうが小さい慣性力を受けます。

次に風船を浮かべた場合を考えます。

電車の中で風船を浮かべてみる

中に風船を浮かべた人がいる電車を急発進させてみます。

もちろん、中の人と風船に慣性力が働きます。

しかし、電車の中には他にも慣性力を受けるものがあります。

そう、空気です。

空気も質量を持った立派な物質なので、慣性力を受けて電車の後ろ側に行こうとします。

重要なのは空気の移動

すると、電車の前と後ろで空気の濃さが変わり、圧力の差が生まれます。

圧力には大きい方から小さいほうに力を与えるという性質があります。

よって、前後の圧力差によって、人と風船が下図の緑色矢印のような力を受けます。
(人と風船が圧力差によって受ける力の大きさはほとんど同じです。)

以上から、人と風船には慣性力と圧力差による力の2つの力を受けることが分かりました。

実際に人と風船が受ける力は、この2つの力を足し合わせたものとなります。

2つの力を足し合わせると…

2つの力を足し合わせてみましょう。

まず人にかかる力です。

慣性力は重いものほど大きな力を与えるので、人には大きな慣性力がかかります。

しかし、圧力差による力の大きさは、重さに依存しないので、慣性力と比べたら微々たる力しか人に与えません。

よって、慣性力の大きさのほうが大きいため、人は後ろ方向に力を受け、後方に倒れそうになるのです。

次に風船にかかる力を考えてみましょう。

慣性力は軽いものには小さい力しか与えません。

風船は宙に浮くほど軽いため、風船にかかる慣性力もとても小さいのです。

そしてその慣性力は、圧力差による力よりも小さいのです。

よって、風船にかかる2つの力を足し合わせると、風船は電車の前方向に力を受けることになります。

以上から、急発進した電車の中の人は後ろ方向に力を受けます。

それに対し、空気の力を無視できないほど軽い風船は、電車の前方向に力を受け、人とは反対方向に倒れていくことが分かりました。

まとめ

いかかでしたか?

普段から使っている電車にも、不思議な現象は起こります。

しかし、そんな不思議も流体力学などの物理学を用いれば、簡単に何が起こっているのかを解明することができます。

そんな物理学に興味を持っていただければ嬉しいです。

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