こんにちは、ケンチーです。
今回のテーマは「箱の中で鳥が飛ぶと箱の重さはどうなる?」です。

鳥が宙に浮いているため軽くなるのでしょうか?
それとも、変化しないのか。はたまた、重くなるのでしょうか?
この記事で、誰にでも理解できるように分かりやすく解説していきたいと思います。
まずはどうなるのかを知ろう
下図のように箱の重さを100グラム、鳥の体重を50グラムとして考えてみます。
すると、はかりは鳥と箱の重さを合わせた150グラムを示します。

ここまでは簡単に想像できるでしょう。
次に、鳥が飛んでいる場合を考えてみます。
すると、はかりは変わらず150グラムを示したままです。

なぜ箱の重さが変わらないのでしょうか?一緒に考えていきましょう。
そもそもなぜ鳥は飛べるのか?
まずは、そもそもなぜ鳥は飛べるのかを考えていきましょう。
宙に浮かんでいる鳥には、「重力」という地球に引っ張られる力がかかります。

このままでは鳥に下向きの力しか働いていないので、真っ逆さまに地面に落ちてしまいます。

落ちないために鳥は上向きの力である「揚力」を重力の大きさと同じだけ生み出すことで、その高さに居続けることができます。
(もちろん重力よりも大きな揚力を生み出せば上昇することができます。)

では、どのようにして揚力を生み出しているのでしょうか?
それは翼を使って空気を下方向に送り込むことで作用反作用の法則により、鳥は上向きに力を得るのです。

箱の中ではどうなるのか?
以上のことを踏まえて、箱の中を飛ぶ鳥について考えてみましょう。
下図の様に、飛ぶために鳥が下に送り込んだ空気が箱の底を押さえつけます。
そしてその大きさは鳥にかかる重力に等しいのです。

そのため、はかりが示す重さは飛ぶ前と同じ150グラムとなります。
箱がない場合
では箱がない場合はどうなるのでしょうか?
答えはもちろん0グラムです。

理由は、空気の逃げる場所が存在するためです。
空気ははかりを押さえつけようとせず、横方向に広がっていってしまい、はかりにかかる力がなくなってしまうのです。
箱の中で鳥が上昇し続ける場合
こんな場合はどうでしょうか?

箱の中を鳥が上昇し続ける場合です。
鳥がより上に行くためには、高さを保つよりもより大きな力で下向きに空気を送り込まなければなりません。
そのため、空気がはかりを押さえつける力は、鳥にかかる重力よりも大きくなるため、はかりの示す重さは150グラムを超えます。
(図では180グラムとしてありますが、鳥の上昇速度によって変わります。)

もちろん、鳥が完全に運動をやめれば、空気がはかりを押さえつける力はなくなるので、箱の重さだけがはかりに作用するので、はかりは100グラムを示します。
まとめ
今回は密閉された箱の中に鳥がいるという状況を考えてみました。
実際にこの実験をやりたい方は、鳥ではなくドローンやヘリコプターなどを使うようにしてくださいね。
私のブログでは他にも日常に隠れる物理学について書いているので、気になる方はぜひ見て下さいね。
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